2009年年頭にあたって
2008年4月1日に“くめ内科クリニック”を開院して9か月経過して、皆様のおかげで無事に2009新年を迎えることができました。感謝いたしております。今後とも宜しくお願いします。
開院以来のあわただしさで休む暇もなく仕事をしてきて、開院以来初めてゆっくりと休むことができました。そうしながらも、通院してくれていた患者さんが、この正月休みの間に体調を崩されないかと心配も心をよぎります。
先日も患者さんの一人が「くめ内科は夜間やってないから…夜に急に具合が悪くなった時が不安です。」と話されました。正月休みも含めて夜間休日は診療ができないわけで、不安に感じられる患者さんの気持ちは理解できます。かといってクリニックの診療を続けることもできないわけで、「夜間に具合が悪くならないように…常日頃から健康管理をしましょう。でも…どうしてもの時な救急車呼んで受け入れてくれる病院を探して診療してもらうしかないですよ。」と答えるしかありません。
誰でも、急な発熱やめまいを起こすのは避けられません。弱った体の心には夜の闇は不安と恐怖を引き起こして朝までの時間は永遠に来ないかと思えるほどに思えるでしょう。それが年輩になるとなおさらで、一人暮らしの御老人とすると極度であろうと心配になります。現代の核家族状態では一人暮らしの御老人は増加しており、急変時の対応はより心配事になっています。
では、医療を行う夜間の救急医療側はどうでしょうか。皆さんはほとんどの医師が当直した次の日も通常の勤務をしていることをご存じでしょうか。次の日の朝に「お疲れ様でした」と帰宅して休めるならば夜間も100%の仕事ができます。しかし現実では次の日の激務に備えて体力を残しておかなければ、次の日に疲労から重大なミスを犯せば誰も助けてくれないのが実際です。不思議にこのことはメディアで報道されることはまずありません。今までの夜間医療は医師達の自己犠牲によって成り立ってきたのだということなのです。それなのに欧米精神の責任追及をし、医療ミスをやり玉に挙げて刑事責任まで追及したのだから、当直義務のある仕事にはつきたくないと思うのは当然と思います。訴訟社会の欧米では医師の過失は民事問題になっていて、刑事責任となることは極まれなのです。社会問題にもなっている医師不足の原点はこの点にあると考えています。この状態は今後10年は改善されるどころか…ますます悪化していくのは確実です。何故なら、一人前の医師を育てるのには最低でも医学部卒業後10年はかかるわけですから。
さて話を戻しますと、我々開業医のできることは「かかりつけ医師」として、通院してくれている患者さん達を良い方向に健康管理して、できるだけ夜間や休日に医療機関に受診しなくても済むようにすることだと思います。そして救急病院の当直の先生方の夜の負担を軽くして翌日からの激務に勤められる体力を温存していただいて、その結果より良い医療体制となるように努力することが大切なことと考えます。
安心して信頼できる医療機関にいつでも診てもらえる医療体制が実現することが待たれますが、この不況社会ではまだまだだと思われます。現在の自分のできることをすることが大切で、それが日々の診療で地域の方々の健康を増進することにつながるものと信じて行動する他はないと思っています。
本年も、少しでも良い医療ができるように微力ですが努力していく所存です。
2009年1月1日 久米誠人 拝